環境政策・計画学科 ― 文理融合だからこそ、“技術士”養成 虎の穴【瀧健太郎】
2021年01月06日(水) 10:20更新
学科学生のみなさんにおすすめの資格試験があります。
技術士(環境部門)の一次試験です。
まずは、技術士について簡単に解説しましょう。
技術士は、国家試験で認められた日本を代表するエンジニアです。技術系の資格では最も権威があるとされています。英文名称はProfessional Engineer, Japanです。プロフェッショナル・エンジニア、かっこいいですね。
技術士資格は技術士法に基づき、「科学技術に関する高度な知識と応用能力及び技術者倫理を備えている有能な技術者」に資格が与えらます。また、技術士の名称の使用は有資格者にのみ認められます。
名称独占資格です。
技術士は、産業経済、社会生活の科学技術に関する、環境部門、建設部門、情報部門などほぼ全ての分野(21の技術部門)をカバーし、先進的な活動から身近な生活にまで関わっています。
例えば、技術者として、環境保全・再生に携わりたいなら環境部門、まちづくりや防災に携わりたいなら建設部門がおすすめです。水環境に関心があるなら上下水道部門も良いかも知れません。
技術者には、高い社会的信用が与えられます。例えば、国や自治体などの公共機関は、環境保全やまちづくり・防災などに関する調査を民間コンサルタントに委託します。そういった際には、多くの場合、技術士が業務を担当することを求めます。
そのため技術士には、環境保全、まちづくり・防災関連の産業界では非常に高いニーズがあります。民間コンサルタント・調査会社の多くは技術士資格を持つ社員を給与面などで厚遇しています。このように技術士は、科学技術系で最も権威のある資格なのですが、それゆえに非常に難易度が高いと言われています。
では、どのように技術士資格を得るのでしょうか。
まずは、技術士一次試験に合格する必要があります。登録すると「技術士補」を名乗ることができます。技術士を補佐する役割です。言わば、技術士見習いです。技術士のもとで4年以上の実務経験を積むと、二次試験(技術士)の挑戦権を得ることができます。
文部科学省が認定した教育課程を終了すれば技術士一次試験が免除されるJABEE制度がありますが、残念ながら滋賀県立大学環境科学部は参加していません。しかし、心配ご無用。実は、環境科学部の中でもとりわけ環境政策・計画学科の教育課程は、「技術士(環境部門)養成講座」といっても過言ではありません。
技術士は文字通りエンジニアなのですが、例えば環境部門の試験では、環境政策・計画に関する歴史、基本的な考え方、それを支える法制度、国内外の最近の動向などが基礎知識として求められます。文理融合でなければならないのです。もちろん、理系最高峰の資格ですから共通科目には数学もあります。学科必修科目の「応用数学」はまさにこの受験対策になっています。
環境政策・計画学科は、実務者の登竜門である技術士一次試験を突破するための最高の場所なのです。学科での勉強をしっかりして、在学中の合格を目指して下さい。
社会に必要とされる力を身に付け、そして地域に飛び込み、ぜひ持続可能な未来に貢献してください。
日本を代表するエンジニアとしての一歩を踏み出そう!
技術士制度(公益財団法人日本技術士会へのリンク)
https://www.engineer.or.jp/
令和2年度 技術士一次試験 環境部門 過去問
https://www.engineer.or.jp/c_topics/007/attached/attach_7439_10.pdf
環境政策・計画学科 授業カリキュラム
http://depp-usp.com/about/class/curriculum