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洪水災害に備えて ― 滋賀県防災情報マップ【瀧健太郎】

2019年07月16日(火) 11:20更新

梅雨明けは間近ですが、これから台風の季節がやってきます。みなさん、大雨への備えは十分できていますか?

近年、大きな水害が頻発しています。2015年9月関東・東北豪雨での鬼怒川の堤防決壊、2017年7月九州北部豪雨での河川・土砂災害、2018年7月西日本豪雨での小田川(高梁川支川)などの堤防決壊による被害は記憶に新しいところです。

2018年7月は、線状降水帯による長期間の大雨で琵琶湖水位もかなり上昇し、避難判断水位(B.S.L.+80cm)にあと3cmまで迫るほどでした。このとき、豪雨と琵琶湖の関係について解説した記事があるので、関心のある方はこちらをご覧ください。

【しがトコ】あの豪雨の時、琵琶湖がためた水の量は約5億トン!天ヶ瀬ダムの13個分だった?!
https://shigatoco.com/toco/biwako_bousai/

大雨で河川が氾濫すればどのような被害が起こるのか、どのように避難すればいいのか、それらを示したものが洪水ハザードマップです。現在では、ほとんどの市町村のホームページで公開されています。

今回のコラムでは、滋賀県が通常の洪水ハザードマップとは少し違った独自の方法で水害リスクを調べた“地先の安全度”を公開しています。今回のコラムではこの“地先の安全度”について紹介します。

さて、みなさんは自宅や学校・職場の水害リスクをご存知でしょうか?
例えば、図中の家は、多くの河川や水路に囲まれています。どの河川や水路のハザードマップを見ればいいのでしょうか?

 雨の降り方によって、氾濫する河川・水路の組み合わせや順番、氾濫の広さや深さは変わります。避難するタイミングを判断するのは容易ではありません。

テレビや新聞などの報道では、大河川の決壊などによる大規模な被害が目立ちますが、実は、自宅や学校・職場の近くを流れる中小河川や雨水排水路からの小規模な氾濫もあとを絶ちません。

現在、国や自治体から公表されている浸水想定区域図(洪水ハザードマップのもとになる浸水予想図)の多くは、比較的大きな河川で管理区間ごとに作成・公表されています。

滋賀県内の例で言えば、野洲川下流部の浸水想定区域図は国(国土交通省)が作成・公表し、野洲川上流のものは滋賀県が作成・公表しています。仮に、野洲川本川が氾濫するような場合を考えると、周辺水路や小河川で先に氾濫している可能性も高い。本川が危なくなり避難しようとしても、周辺河川・水路が溢れて避難できない状態になっているかも知れません。単に水害といっても同時多発で複合的なのです。

滋賀県は、河川や水路の管理区分なく、河川・水路群に囲まれた土地そのもの安全度をコンピューターでシミュレーションし、これを「地先の安全度」と呼んで公表しています。山間部を除けば県内の広い範囲で、どれくらいの雨が降ればどれだけ浸水するのかが地点ごとに分かるようになっています。

滋賀県はこのような水害リスク情報を「滋賀県防災情報マップ」の一部として公表しています。ぜひご覧いただきみなさんの地域防災に活かしてください。

shiga-bousai.jp/dmap