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ミシガン・滋賀 姉妹県州提携50周年 ~ 官民協働・住民参加のお手本【瀧健太郎】

2018年07月02日(月) 10:09更新

 

今から50年前の1968年、滋賀県と米国ミシガン州とは「湖」の取り持つ縁で姉妹県州となりました。

姉妹州協定

僕は2012年~2014年にかけて、滋賀県庁から米国ミシガン州に派遣され、ミシガン州立大学の客員研究員の身分で、州政府教育局に駐在していました(当時は県行政職員)。僕は歴代20代目の駐在員で、文化・教育・経済など面から県州のさまざまな交流をサポートすることがおもな職務でした。

滋賀県とミシガン州は、毎年交互に友好親善使節団を派遣していて、これまでにのべ3,000名以上のみなさんが参加されています。また、1989年には彦根市にミシガン州立大学連合日本センター(JCMU)が設立され、両国合わせて8,000名を超える学生が、相互の言語や文化を学んできました。他にもさまざまな交流が数多く続いており、昨年・今年は姉妹県州締結50周年の行事が目白押しです。

ミシガン側でさまざまな交流を進める母体となっているのが、ミシガン・滋賀姉妹県州委員会です。同委員会は、ボランティアで運営されており、各姉妹都市の代表者と10名の幹事で構成されます。(彦根市とアナーバー市、近江八幡市とグランドラピッズ市など、県内11の市町がミシガン州の都市と姉妹関係を結んでいます。)

姉妹県州委員会の様子(2012)

滋賀県から派遣された駐在員は、一メンバーとしてこの委員会に参加しています。ミシガン州政府からもひとりが委員として参加します。行政参加です。特に滋賀県として当該委員会に助成等の資金援助をしているわけではありません。当時の在デトロイト日本国総領事は、「これほど活発に機能している姉妹県州関係は他にない」と様々な機会で、滋賀県とミシガン州との関係を紹介して下さっていました。

設立以来、何十年にもわたって委員会をけん引されてこられた故リリアン・クマタ先生は、ここまで活動を続けてこられた理由を次のように語って下さいました。

「それはあなた方が“ここにいてくれるから”です。活動には資金援助も必要だけれど、資金は他で何とかします。何よりも滋賀県の職員であるあなたたちが“ここにいてくれること”が一番重要なことです。だから私たちは続けてこられたのですよ。」

ここに官民協働や住民参加のひとつの答えがあるのではないでしょうか。これまでの県の事業を振り返ると、行政主導でつくった住民組織であっても、予算の切れ目が縁の切れ目になることが多かった。けれど、ほんまもんの協働は、実は予算の切れ目から始まるのかも知れません。

この姉妹県州委員会を中心とした長年の交流を通じて、ミシガン州には滋賀県を訪れ、滋賀県を第2のふるさと、あるいは、大切な友人だと思って下さる人たちがたくさんいます。例えば、滋賀県の経済団体が視察に来ると話すと、快く受け入れを申し出て下さる企業いくつもありました。そのような企業の中では、必ず滋賀県に“縁”を持つ人が声を上げて下さっています。

「実はミシガン船に乗っていたのですよ」

「高校生交流で滋賀県に行きました。今でも滋賀県の友人と連絡をとっています。」

「親善使節団に参加して2回、滋賀県に行きました。けれど夏はとても暑かった。」

「滋賀県の方のホストファミリーをしました。僕は日本文化に興味があるんです」

「JCMUのプログラムで彦根に留学をしました。みなさんとても優しかったです。」

どこに行ってもこのような声をお聞きします。

連綿と紡がれた両県州の絆は、今、教育・文化、経済などさまざまな面で滋賀県に大きな利益もたらしてくれています。こうやって、行政間で締結された姉妹県州協定は、それぞれの地域のみなさんによって育まれているのです。

環境政策・計画学科のみなさん、ミシガン・滋賀の姉妹交流に参加してみませんか?

住民参加や参加型計画の深い学びが、ここにあります。

ミシガン・滋賀 アーティスト交流のためのファンドレイザー、和菓子を提供して寄付金を集めます。

(ミシガン・滋賀 姉妹県州プログラム ウェブサイト)

www.mishiga.org

(ミシガン・滋賀 姉妹県州プログラム Facebook)

https://www.facebook.com/michiganshiga