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県立大学に導かれて【大方 正倫】

2025年02月28日(金) 10:18更新NEW

はじめまして。

今年度(2024年4月)、本学科に着任しました大方正倫です。

初めての教員コラムは、私と滋賀県立大学の出会い、そして、キャンパスライフ約1年を振り返って、について書きたいと思います。

 

私と県立大学の出会いは、開学当初、私が小学3年生の時。

県立大学のシンボルである「えんぴつ塔」を、小学校の屋上から見た光景を、今でも覚えています。

方角について勉強していた私たちに、担任の先生がえんぴつ塔を指さし、「あちらが北ですよ」と教えてくださいました。

それ以来、遠くに見えるえんぴつ塔は、私にとって、正しい方向を教えてくれる存在となりました。

えんぴつ塔を見るたびに、自分の現在位置を、正しく知ることができました。

 

あれから30年。

このたび、教員として、県立大学とご縁をいただきました。

これまでは、県立大学の外から眺めたえんぴつ塔が、私に正しい向きを教えてくれました。

これからは、県立大学の中から、えんぴつ塔のすぐそばで、環境問題について考え、私たちが環境問題にどう取り組むべきか、向かうべき方向について発信していきたいと考えています。

 

さて、早いもので、県立大学のキャンパス内で過ごして約1年が経とうとしています。

キャンパスの外から眺めているだけでは気づかなかったのですが、キャンパス内で過ごしてみて、印象的なことがあります。

それは、県立大学の建物やその配置が、ちょっと複雑(独特?でも、とても興味深い!)であることです。

着任当初、キャンパス内で、道に迷うことがしばしばありました。

今でも、ときどき迷います。

 

例えば、環境科学部棟は3階建てですが、すべての棟の3階がつながっているわけではなく、隣の棟に行くには一旦2階まで下りる必要があります。

しかも、階段も各棟にあるわけではありません。

また、他の学部棟に行く際にも、道が直線的ではなく、ある意味遠回りをしているように感じることが多々ありました。

 

 

最初は、道に迷って困ったり、急いでいる時にもっと効率的に行けないものかと思ったりしたものです。

でも、道に迷ったり、別の道を探して試したりしているうちに、こんな行き方もあるのか、あるいは、こんな場所もあるのか、こんなものがあるのか、こんな人がいるのか…!と、どんどん新しい発見があり、それが楽しく感じられるようになりました。

そして、同時に、ついつい最短経路を求めている自分に気づかされました。

 

コスパ、あるいはタイパ、という言葉もよく聞くようになりました。

もちろん、できるだけ効率的に実行し、最適解を見つけることが必要・大切であることは多いと思います。

でも、時には、遠回りしてこそ、気づくこともあるでしょう。

新たな発見が、新たな出会いが、あるかもしれません。

 

大学生の頃って、心にゆとりを持ち、自分で自由に時間を使えることが多い時期だと思います。

そんなときだからこそ、回り道をしてみてもいいのでは。

いろんな道を進んでみて、いろんな経験をすることが、新たな発見や成長につながるのではないかな。

 

見方を変えれば、時にはちょっと回り道も必要ではないか、と県立大学のキャンパスに教えてもらった気がします。

そして、ふと、高校時代に出会った言葉を思い出しました。

「近道よりも、汗をかく道」

 

多少時間はかかっても、自分で足を運び、自分で手を動かし、自分の目で見て確かめてみることも大事でしょう。

そこで自ら何かを感じ、気づくことこそ、本当の学びなのではないでしょうか。

 

もうすぐ新入生が入学される時期ですね。

ぜひ、皆さん一緒に学びましょう。