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参加型湖沼流域管理に関するワークショップ への参加 i n クアラルンプール【平山奈央子】

2026年02月26日(木) 10:18更新NEW

ここから本題です.湖沼流域では市民やNGO,大学,農業者,漁業者,行政など多様な関係者が暮らし,生業や事業を行っています.その流域内の活動が湖沼(水域)の自然環境に影響を与えます.そのため,湖沼の水環境や生態系を保全するためには関係者らが問題意識や目標を共有し,ともに保全活動に取り組むことが重要です.これを「参加型湖沼流域管理」と(私は)言っています.そのための手法として,国際湖沼環境委員会(ILEC)の中村正久先生が Participatory Ecosystem Services Shared Value Assessment (以下,PESSVA) という手法を開発しました.基本的には,流域住民を対象にアンケート調査を実施し,その結果を関係者らがワークショップなどで共有し,それを踏まえて流域の環境保全のあり方について議論する,というものです.これまでに,ケニアのナクル湖,インドのチリカ湖,メキシコのチャパラ湖などでプロジェクトが実施されました.2022年度から2024年度まで,地球環境基金の支援を受けてマレーシアの3つの流域でPESSVAが実施されました.今年度から,同じく地球環境基金の支援で新たなプロジェクトが開始され,マレーシアの成果を生かしてインドネシアのラワペニン湖への展開を予定しています.

発表の様子

その他の発表として,PESSVAとは何か,マレーシアでのPESSVAの結果概要の紹介に続けて,来年度に調査を予定しているインドネシア・ラワペニン湖の生態系サービスの概要と主要課題に関する紹介がありました.また,PESSVAを実施した流域以外の湖沼やマラヤ大学内の環境保全に関する発表がありました.午後は参加者全員でディスカッションが行われ,マラヤ大学のZeeda先生が問いかけ,参加者らの考えを共有しました.例えば,市民は難しいことはわからない,環境教育が大事,これまでの取組からステップアップしたい,などの意見がありました.ワークショップの参加者は40人くらいで大学関係者やNGO,マレーシア国立水研究所など比較的若い参加者が多かったです.

会場の様子

ディスカッションでのコメント

集合写真

ミーティングの様子

Key Ladies

最後の写真は,前列左から,マラヤ大学のZeeda先生,インドネシア・ディポネゴロ大学のTri先生,マレーシア国立水研究所の研究者Zatiさん,私,後列右からILECの中村先生と市木さんです.Zeeda先生とZatiさんは10年くらい前からの知り合いで,年齢も近く,湖沼管理など専門の話で共感できるところが多いです.Tri先生は今回初めてお会いしましたがミーティングの後のフリー時間に2人で出掛け,いろいろなお話をしました.ちなみに,”Zeeda”などはファーストネームで私のことも”Naoko”と呼んでくれるのですが,日本の仕事仲間の間ではあまりそういう呼び方をしないですね.彼女たちは,もちろん湖沼研究の専門家で真面目な話が多いのですが,ランチの時などに研究以外の話もします.国籍や宗教,使用言語が違っても,心の距離が近い友達は私に良い刺激を与えてくれるので幸せなことです.マレーシアとインドネシアでのアクションリサーチがますます発展し,住民参加が促進されることを願っています.私は,湖沼流域管理に関するガバナンスを国際的に比較したいと思っています.