選挙とお買い物【平山奈央子】
2019年05月07日(火) 11:34更新
2019年4月は知事・市長選挙や議会議員選挙など、全国で立て続けに選挙がありました。18歳以上の皆さんは投票に行きましたか。少しでも多くの若い人に関心を持ってもらうため、身近なお買い物に例えて選挙の話をしてみたいと思います。
まず、選挙が近づくと送られてくる「投票所入場券」は皆に等しく1枚配布されるクーポン券(有効期限あり)の様なものだとしてみましょう。そのクーポン券を使って何を買うか、つまり、政治・政策に何かを求めるのかを選ぶということになります。では、このクーポン券を使うためにどういうハードルがあるのでしょうか?
ハードル1 クーポン券の受け取りにくさ
学生であれば有権者でありながら投票入場券(クーポン券)を見たことがない人もいるのではないでしょうか?例えば、一人暮らしをしていて住民票を移していなければ現在住んでいる自宅に届きません。選挙の時だけ実家に帰るのも難しいでしょうし、クーポン券は投票日の一週間前くらいに送られてくるのでここでモタモタしてしまうと有効期限内に間に合いません。クーポン券を簡単に入手できるようにしておくことが大切です。ちなみに、投票権がある場合は投票入場券を持っていなくても(忘れても)投票できます。
ハードル2 情報交換の少なさ
例えばお買い物なら、同じクーポン券を持ってる人同士、「この商品はお得で良かったよ」「店員さんが親切だったよ」など情報交換します。その他、応援しているスポーツチームや好きな俳優が出演しているテレビの話題は日常会話の中で溢れています。それらと比べて選挙についてはどうでしょう?「この政治家の考え方いいよね」と共感したり、「この工事って何のためにやっているの?」など、政治や政策に関して身近な人と話す機会が少ないように思います。まずは家族や親しい友達から情報収集してみることをお勧めします。
ハードル3 パッケージ商品の選びにくさ
例えば旅行に行く時、自分で手配する場合は全てを自分好みにカスタマイズできますが、パッケージツアーだと、有名な観光地を効率的に回れる代わりに変なお土産屋さんも付いてきます。これと同じように、選挙の場合、1人の政治家のマニュフェストがパッケージになっていて、自分の好みに合わせてカスタマイズできません。福祉はA氏、教育はB氏の目指していることに共感するなぁ、と思っても、何かを切り捨て、1人を選ばなければいけない難しさがあります。こういう場合は自分の中の優先順位で決めるしかないですね。
最後に・・・
選挙に関心のない若い人が多いということは、もしかすると、大きな声を上げてまで改善して欲しいことが少ないのかもしれません。それはそれで幸せなことですが、もちろん個々人で抱える問題は違うでしょうし、昔と比べて問題の種類は変化していると思います。 自分自身がどういう暮らしをしたいのか、今一度考えてみることも大切だと思います。
少しでも関心を寄せられたら次回の投票に行ってみましょう。
※この記事はアメリカの入国審査の大行列に並びながら書きました。なんと2.5時間!