大学の先生のお仕事【平山奈央子】
2021年04月22日(木) 09:52更新
大学の授業が休み期間になると、私の母は「授業ないのに学校に行くの?」と年に2回くらい私に言います。私のことをまだ学生だと思っているのでしょうか (^_^;) 「授業以外の仕事もあるねん」と言うのですが、確かに、他人のお仕事って毎日何をしているのかわかりませんよね。大学教員の仕事は先生によって多種多様ですが今日は私の日々のお仕事を紹介します。
私の仕事は、教育・研究・その他(会議や社会貢献など)に分かれます。
まずわかりやすいのは「教育」ですね。授業やゼミ(卒論指導)をします。授業は90分間話すだけではなく、資料の準備や屋外調査の下見、外部講師との連絡調整なども含みます。私の場合、前期は8コマ、後期は大学院授業も入れて6コマを担当しています。特に学生が好きそうな授業は1回生後期に開講している“ファシリテーション技法・演習”でしょうか。グループワークや話し合いの交通整理をするファシリテーター養成講座です。難しいことは置いておいて、ファシリテーターとしてのマインドやスキルを体に覚え込ませていく、ということを目指して楽しく進めています。
ゼミは毎週水曜日の午後に実施しています。昨年度は4回生3人、3回生4人でコロナが大変な時はオンラインで進めました。ゼミ生1人1人の研究テーマが全然違うので、他のメンバーのテーマに興味を持ってあーだこーだ話すことを大事にしています。3回生は1回、4回生は3回の卒論発表会があり、その1ヶ月くらい前から要旨の添削や発表練習などで慌ただしくなります。
学生の卒業研究とは別に私自身の「研究」もしています。いくつかテーマがあって自分でも混乱するので下の写真のような感じで進捗管理しています。私の専門は水環境政策で、研究のキーワードは「政策形成過程」「住民参加型評価」「連携」などです。ミーハーな事に昨年度はコロナ関連の研究も実施しました。晴れて論文がacceptされる(専門家の審査を経て雑誌への掲載が決まる)と大好きなミッフィーの[済]スタンプを押します。
1つ1つの「о」が学生の卒論1つという感じです。書いているけど進まなかったテーマもあって、昨年度は10個くらいのテーマを同時並行で動かしていました。例えば、テーマAのアンケートの回答を待っている間にテーマBのデータを分析して論文を書く、という感じです。1つのテーマで論文を3つくらい書く時もあります。各テーマの進め方はだいたい同じで、[1.文献調査と調査設計→2.調査実施→3.分析→4.論文執筆]という流れです。ひたすらこれの繰り返し。ただ、テーマによって調査方法や分析手法が違います。集めるデータを食材、分析方法を調理方法だとすると、研究活動は「食材に合った調理方法で美味しいand新しい料理を創造する」というイメージです。新しいことが分かると「論文」という形で社会に公表します。昨年度は論文をたくさん書くという目標だったので10本書きました。コロナで出張が減ったので研究と向き合う時間が特別多かったなと思います。
直接的な研究活動ではありませんが、研究の修行のために海外に行かせてもらう学内の制度があって、これまでにアメリカのアリゾナ州立大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校に2~3か月滞在しました。また、個人的に東南アジアが大好きで、過去にはインドネシアやスリランカで研究調査を実施していたことがあります。現在はベトナム・ハノイの大学と一緒に調査を進めています。
「その他」の仕事としては、研究費の申請、入試の監督や面接、学科のお財布管理、国・県・市の審議会、市民活動に対する助成金の審査、地域から依頼された調査、学生の相談、ゼミ室のパソコンの整備、、、などなど、コンビニの店員さん(?) ほどじゃないかもしれないけど、いろいろな種類の仕事があります。いくつかの仕事・締切りが重なって忙しい時、年に3回くらい何日か徹夜で乗り切ります。
4月に入ったので昨年度の仕事を整理して、今年度の目標と計画を立てました。気持ちを新たに今年度も頑張って働こうっと。
県大の桜は入学式前にだいぶ散ってしまったけれど、新入生入学のお祝いの気持ちを込めて満開の桜を贈ります。
🌸素敵な大学生生活になりますように🌸