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彦根と周辺の博物館めぐり ~ひこにゃん・滋賀にいたゾウ・朝ドラロケ地など~【高橋卓也】

2023年07月10日(月) 11:51更新

せっかく滋賀県立大学に来たのなら、行かないともったいない近くの博物館をご紹介します。

1.彦根城博物館

彦根の城山(金亀山[こんきやま、こんきさん])のふもと、藩主井伊家の御殿の跡に建つ博物館。御殿自体が復元されており、博物館の一部となっています。井伊家のカブト・ヨロイ(あの「ひこにゃん」の赤いカブトです※)、刀剣、弓、鞍などの武具、能衣装、井伊直弼の茶道具、能舞台(能狂言のビデオも)、古文書が展示されています。キャッチフレーズは、「“ほんもの”との出会い」。観覧料金は一般500円ですが、彦根市内の大学生は無料です。学生証を忘れないようにしましょう。

彦根城博物館に登場したひこにゃん
(毎日登場します)

(参考)ひこにゃん 毎日のお散歩スケジュール

彦根製糸場について調べるため、同博物館の資料室に一度おじゃましたことがあります。彦根製糸場は、明治時代に滋賀県が設立し、井伊家が引き継いで経営していました。地元の養蚕業を振興し、生糸(シルク)をつくり、横浜から海外に輸出をしました。明治になって失業した士族の職場づくり、廃藩置県後さびれた彦根の活性化が目的だったようです。別のところでコラムを書きましたので、そちらもよければご覧ください。

明治の彦根に水車が回る―「青天を衝け」と彦根製糸場―

常設展示のほかに、1ヶ月間ほどのテーマ展示もあります。記憶に残るテーマ展示としては、井伊家の鷹狩りの展示があります。遠く東北から鷹が連れて来られていたこと、鷹の足に結び付けるヒモがマナーに従ってリボンのように美しく整えられていたことが印象的でした。

テーマ展 彦根藩井伊家の鷹狩り

※ ひこにゃん、といえば、今年2023年7月29日(土)30日(日)彦根市で開催の鳥人間コンテストとのコラボイラストが発表されました。
5月29日プレスリリース:ひこにゃんと鳥人間コンテストのコラボレーションイラストが商標利用可能になります。(彦根市)

※ ついでに鳥人間コンテストといえば、今年2023年の鳥人間コンテストに滋賀県立大のチームが出場することとなりました。
鳥人間コンテストに出場します(5年ぶり)(滋賀県立大学)

2.多賀町立博物館

彦根市の東隣、多賀町の自然史博物館です。環境フィールドワークの授業では、多賀町には、犬上川上流部での生き物観察、高取山ふれあい公園での間伐・炭焼き・施設見学・キノコ観察、多賀町中央公民館 結の森(ゆいのもり)での木構造見学などで環境科学部の学生・教員がほとんど毎週のようにうかがっております。

教員コラム 環境フィールドワークの舞台裏【高橋卓也】

約180万年前に生きていたアケボノゾウの化石や多賀町の自然についての展示を見ることができます。滋賀県の最高峰・伊吹山(1377m)が石灰岩からできていることはご存知かもしれませんが、石灰岩地形の鍾乳洞が多賀町にあることはあまり知られてないかもしれません。なぜ、海底でできた石灰岩が海なし県・滋賀にあるのか、石灰岩の中にある化石の展示(権現谷[ごんげんだに]という化石の産地があります)も見ながら理解できます。もちろん、アケボノゾウがどんなゾウだったのかもわかります。

少し山の方に足をのばせば、春にはミツマタの黄色い花の群生を見ることができます。駐車などについてマナーを守ってご覧ください。

多賀町のミツマタ群生地

(参考)多賀観光協会 2023年ミツマタ群生地情報その9(2023年4月10日)

3.東近江市近江商人博物館

こちらは彦根の南隣、東近江市にある近江商人についての博物館です。江戸から明治にかけて、全国をまたにかけて活躍した近江商人の故郷の一つである東近江市五個荘(ごかしょう)にあります。近江商人がなぜこの場所で生まれたのか、その商法、家訓、生活、そして現代の近江商人の流れをくむ企業とのつながりなど、わかりやすく展示されています。
以下の教員コラムでは、なぜ滋賀の地に近江商人が生まれたのか、「ロールモデル説」をとなえてみましたので、そちらもよければご覧ください。

教員コラム なぜ近江商人は続出したのか?~ロールモデルの大切さ~【高橋卓也】

ところで、この博物館の近くの神社(大城神社[おおぎじんじゃ])が朝ドラのロケ地になり全国から観光客が立ち寄るようになったそうです。近江商人のお屋敷の街並みとともに見どころとなっています。

「カムカムエヴリバディ」舞台、滋賀の神社が脚光 ヒロイン願掛けシーン(京都新聞、2022年3月19日)

東近江市五個荘金堂(こんどう)の近江商人屋敷の風景

オープンキャンパス、学園祭、学会・研究会などで滋賀県立大学にお立ち寄りの際は(そして、もちろん在学生も)、少し足を延ばして、琵琶湖はもちろん、周辺の博物館や隠れた名所をめぐってみるのはいかがでしょうか。