ごみ処理施設の立地・建設(その2)【金谷健】
2016年11月15日(火) 11:37更新
前回(2016年1月)の私のコラム
ごみ処理施設の立地・建設(その1)http://depp-usp.com/archives/2324
で、滋賀県立大学の所在地である滋賀県彦根市を含む、彦根愛知犬上地域(彦根市、愛荘町、豊郷町、甲良町、多賀町;湖東地域とも言います)での新規ごみ処理施設建設候補地選定について、2016年1月時点までの状況を紹介しました。
今回のコラムは、その続きです。
◆ごみ処理施設の立地・建設(その2)◆
2016年1月以降、現在までに、彦根愛知犬上地域ごみ処理施設建設候補地選定委員会(以下、委員会と略)は第8回~第10回の3回、開催されました。
第8回(2016年2月22日)委員会では、応募地の評価方法(選定の流れ、選定要件)と評価における配点が審議されました。
第9回(2016年3月25日)委員会では、中間報告(第1回〜第8回検討結果)について審議決定されるとともに、公募に係る説明会(第2回)の実施報告が事務局からなされました。中間報告は、第9回委員会資料として、下記に掲載されています。
http://www.genaiken-kouiki.jp/cmsfiles/contents/0000000/424/no9teisei1-1.pdf
中間報告に、応募地の評価方法が詳しく記載されています。
まず、応募のあった土地について、建設候補地としての基本条件を満たしていない応募地、具体的には、以下に挙げる指定等が存在する応募地を除外します(一次審査)。
・国定公園(自然公園法)
・県立自然公園(自然公園法)
・保安林(森林法)
・史跡・名勝・天然記念物(文化財保護法)
・鳥獣保護区のうち特別保護地区(鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律)
・保存樹(都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律)
次に、一次審査を通過した応募地について、建設候補地としての適性の数値化による評価を行います(二次審査)。
評価は 「①選定要件( 選定要件(22 項目)による評価 」(80 点分)と、選定要件の結果を受け、委員会として「②各項目の重要度や項目間の相互関係等からの評価」(20 点分)の合計100点満点で行います。
22項目とは、
・安全・安心の確保の視点 (活断層との関係、地盤の軟弱強度、災害関連法の指定の有無、その他危険地域の設定の有無、住宅との位置関係、教育・医療福祉施設との位置関係)
・環境への配慮の視点 (農業振興地域指定状況、都市計画区域の指定状況、道路混雑度、地域性緑地等の指定状況、重要な動植物等の生息状況、指定文化財・埋蔵文化財の有無)
・計画的な財政運営の視点 (敷地面積、敷地の形状、障害物の有無、造成費及び用役整備費、用地取得費、道路整備費、収集運搬効率)
・合意形成 (土地所有者、地域における合意状況、近隣市までの距離)
です(詳細は、上記中間報告ご参照)。①および②の合計点に加え、建設候補地の適性に関わる懸念事項等をまとめた「講評」を併せ、順位付けを行います。
なお応募後の委員会(第 10 回以降)は、「応募地の評価時など、応募地に関係する住民へ影響や選定委員の客観的発言が妨げられるおそれがあり、事業遂行に支障を及ぼす懸念がある検討内容のため、非公開で行う」ことが、中間報告に記載されています。
公募期間は、2015年10月15日~2016年7月29日までの9ヶ月半で、応募には、土地所有者及び地元自治会の同意が必要です。結果的に、彦根市内から3件、愛荘町内から2件、合計5件の応募がありました。
今後は、この5件の応募地について委員会で審議されます。現時点で、第10回委員会は9月23日開催、第11回委員会は10月~11月に開催予定(応募地視察)、第12回・第13回は11月28日に開催予定です。
その上で今年度中に、委員会としての結論(各応募地の評価点数に基づく、候補地の選定)が、彦根愛知犬上広域行政組合管理者へ報告される予定です。
次のコラム担当(1年後)のころには、どんな候補地が「選定」されたのか、その選定を受けて、彦根愛知犬上広域行政組合管理者はどこを候補地として「決定」し、そことの交渉はどこまで進んでいるのか、などを報告できることを願っています。