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村上一真准教授が、2017年度環境経済・政策学会奨励賞を受賞しました。

2017年09月14日(木) 10:04更新

当学科の村上一真准教授が、2017年度環境経済・政策学会奨励賞(SEEPS Young Achievement Award)を受賞しました。同賞は、原則として若手による環境経済・政策分野の奨励に値する論文あるいは著書に対して授与されるものです。

受賞対象となった著書は、「環境配慮行動の意思決定プロセスの分析:節電・ボランティア・環境税評価の行動経済学」(2016年7月、中央経済社)です。

 

書籍の紹介

本書は、個人の環境配慮行動に係る意思決定プロセスを実証的に明らかにする研究である。マクロな制度やしくみが、組織や個人などの能力水準や意識・行動様式に及ぼす影響解明の研究として、「環境と開発の政治経済学:持続可能な発展と社会的能力」(2007年)、「環境経営のグローバル展開:海外事業およびサプライチェーンへの移転・普及のメカニズム」(2015年)に続く研究成果となる。マクロ、メゾ、ミクロとしての国・都市、組織(企業)、個人という研究対象主体のなかで、2007年の都市、2015年の企業に続く、個人を対象とした研究の成果である。

具体的には、環境問題解決に係る行動経済学として、「個人の節電行動」、「集団での森林ボランティア活動」「住民の森林環境税制度の必要性判断」に係る意思決定プロセスを明らかにし、東日本大震災、地球温暖化、森林への人間の働きかけ低下への処方を提示している。

内容は以下のとおり。

序章 環境問題解決に係る行動経済学

第Ⅰ部 個人の節電行動の意思決定プロセス
第1章 個人費用便益認知と社会費用便益認知の節電行動への影響
第2章 節電目標の理解度と停電への不安・恐怖の節電行動への影響
第3章 社会的規範と電力会社への信頼の節電行動への影響
第4章 節電数値目標の有無と電気代値上がりの節電行動への影響
第5章 身近な他者との関わりの節電行動への影響
補論 電力需要関数の推定

第Ⅱ部 森林ボランティア活動と森林環境税制度評価の意思決定プロセス
第6章 地域への愛着と身近な他者とのつながりの森林ボランティア活動への影響
第7章 森林環境税制度の森林ボランティア活動への影響
第8章 分配的公正の森林環境税制度評価への影響
第9章 身近な他者の評価とネットワークの森林環境税制度評価への影響
第10章 手続き的公正の森林環境税制度評価への影響
第11章 森林行政への信頼の規定要因の分析

終章 「インセンティブ情報」×「他者との関わり・ネットワーク」