ごみ処理施設の立地・建設(その4)【金谷健】

2018年11月05日(月) 11:05更新

前回(2017年11月)の私のコラム
ごみ処理施設の立地・建設(その3)http://depp-usp.com/archives/3434
では、滋賀県立大学の所在地である滋賀県彦根市を含む、彦根愛知犬上地域(彦根市、愛荘町、豊郷町、甲良町、多賀町;湖東地域とも言います)での新規ごみ処理施設の立地・建設について、2017年10月時点までの状況を紹介しました。
今回のコラムは、その後の状況紹介です。

新規ごみ処理施設の立地・建設の主体である彦根愛知犬上広域行政組合(以下、組合)は、彦根愛知犬上地域新ごみ処理施設整備基本計画検討委員会(以下、検討委員会)を設置しました。

*金谷は、検討委員会の委員ではありません。検討委員会の「前段の委員会」であります「彦根愛知犬上地域ごみ処理施設建設候補地選定委員会」の委員(委員長)は務めさせていただきました。

検討委員会は、2017年10月27日から2018年8月21日まで、計7回開催され、組合は
「彦根愛知犬上地域新ごみ処理施設整備基本計画(素案)」(以下、計画素案)をとりまとめました。なお素案の表紙の下部には、「本書は、彦根愛知犬上地域新ごみ処理施設整備基本計画検討委員会において、建設候補地として愛荘町竹原区を想定した上で検討いただいた、平成30 年3 月28 日時点での計画素案です。なお、建設候補地選定につきましては、彦根愛知犬上地域新ごみ処理施設整備基本計画検討委員会の検討事項ではありません。」と明記されています。意図するところは、

*管理者は、「愛荘町竹原区」を「建設候補地として選定」したが、まだ「建設地として決定」したわけではない、という念押し。
*ただ、もし仮に「愛荘町竹原区」に建設すると「想定」したら、施設整備基本計画はどのようになるかの検討を、「検討委員会」にお願いした、という念押し。
と解釈されます。

なお、計画素案の内容(章構成)は、施設の理念・基本方針、計画条件の整理、処理方式の検討、基本条件の整理、公害防止計画・焼却残渣処理計画、エネルギー利用計画・高効率発電の検討、プラント計画および土木・建築計画、施設配置・動線計画、その他ごみ処理施設にかかる事項の計画、です。
検討委員会の資料や会議録は下記サイトに公開されています。

http://www.genaiken-kouiki.jp/contents_detail.php?frmId=498

また、組合は、新ごみ処理施設建設に係る住民説明会を、建設候補地が立地する自治会(愛荘町竹原区)や、周辺自治会や小学校区で、これまでに計10回開催しています(平成29年7月17日~平成30年5月20日。その概要は、組合の下記サイトに公開されています。

http://www.genaiken-kouiki.jp/contents_detail.php?co=kak&frmId=493

なお組合議会の会議録は、組合の下記サイトに公開されています(平成30年11月3日時点では、平成30年3月臨時会までの会議録が公開)。

https://www.genaiken-kouiki.jp/category_list.php?frmCd=6-0-0-0-0

しかし、住民の皆さんの「理解」は得られていない状況です。そうした状況である理由は、上記2つのサイトの情報によれば、主に、

*ごみ処理施設が近隣に建設されること自体に反対というもの
*建設候補地の選定理由や公表の仕方を含めた経過に納得できないというもの
*ごみ処理施設からの騒音・振動・悪臭や有害物質が排出されるのではないかという懸念
*ごみ処理施設の建設に伴い交通量が増加することによる安全面の不安です。

さらに、組合にとっては厳しいことに、彦根市議会は平成30年6月21日に、甲良町議会は平成30年6月12日に、それぞれ、「建設候補地の見直し」を求める意見書を可決しています。
http://asp.db-search.com/hikone-c/
http://www.kouratown.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/42/H300612kaigiroku.pdf

また、組合議会は、朝日新聞の報道(平成30年8月31日)によると、「現在の建設候補地」への着工の前段となる調査費の予算計上を、認めませんでした。また、前述の「彦根愛知犬上地域新ごみ処理施設整備基本計画(素案)」の承認には、組合議会の議決が必要とする条例改正案が、組合議会で可決されています。(いずれも、平成30年8月29日の組合議会)。

https://www.asahi.com/articles/ASL8Z3S5FL8ZPTJB003.html

なお組合議会の議員19名の構成は、彦根市議会議員が10名、愛荘町議会議員が3名、甲良町議会議員が2名、多賀町議会議員が2名、豊郷町議会議員が2名です。

以上のような状況を踏まえますと、組合(管理者及び事務局)が現在進めている、「愛荘町竹原区」での新規ごみ処理施設の立地・建設については、組合がこれまで繰り返しされてきた「丁寧な説明」の、今後のさらなる繰り返しで、組合議会・各市町議会や住民の皆さんの「理解」を得られる可能性は、かなり低いようです。
今後の動向が、注目されます。