TED3題~環境に関わって~【高橋卓也】
2016年09月01日(木) 11:13更新
環境問題に関係したTED(世界的なプレゼンのコレクション。ウェブ上でも見ることができます。)のプレゼン3題をご紹介します。
すべて日本語で字幕がついたものです。
(1)ブータンの首相が語るカーボンネガティブ(炭素を大気中から吸収する)の国づくり
ツェリン・トブゲイ:CO2排出量マイナスの国、ブータン
講義などで学生さんにも言っているのですが、34年後の2050年には地球温暖化防止のために、二酸化炭素の排出量を格段に減らす必要があります。
政府の計画では、日本全体で80%の削減です※。
石油・石炭などの化石燃料消費をそれだけ減らさなくてはなりません。
おそらく現在の学生さん達が50代になるころには、世の中は想像もできないくらい変わっていることでしょう。
そこで、GNH(国民総幸福量:Gross National Happiness)で有名なブータンです。ブータンはカーボンニュートラル(炭素中立)を達成することを約束しています。国内森林が吸収する範囲でしか、二酸化炭素を排出しないということです。
つまり、二酸化炭素の排出=エネルギーと物質の消費を減らしつつ、国民の幸福量は増やしましょう、という国です。
日本とは国の規模から何から違っていますが、参考にできることがあるのではないでしょうか。
憲法に森林率の規程があること、国王定年制、自然保護の基金制度などの話題もあります。
※地球温暖化対策計画(閣議決定案)の概要 平成28年5月http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ondanka/kaisai/dai35/siryou1_1.pdf
(2)新しい資本主義とは?
ポール・チューダー・ジョーンズ: 私たちが資本主義を見直すべき理由
「環境経営論」という授業のなかで、企業が環境に取り組むというのはどういうことか、ということを受講生のみなさんとともに考えています。
先ほど言った二酸化炭素排出量の画期的な削減は、企業が変わらなければ、そして現在の資本主義経済が変わらなければ、不可能でしょう。
どのような変化が必要なのか、投資会社の社長さんと考えてみましょう。
(3)外来水草で儲ける!
アチェニョ・イダチャバ:どのように私は有害な植物を繁栄するビジネスに変えたのか
オオバナミズキンバイなどの外来水草は、琵琶湖でも大問題になっています。教員コラムでも上河原先生が紹介されています(環境省オオバナミズキンバイ防除試験業務(雄琴港)見学 【上河原献二】 。
このプレゼンでは、アフリカ・ナイジェリアで「世界の外来侵入種ワースト100」のホテイアオイをどのようにして人々の生活に役立てようとしているかを紹介しています。希望が持てるストーリーです。
※「世界の外来侵入種ワースト100」/http://www.iucn.jp/protection/species/worst100.html