上田 杏樹 さん
2020年度入学
上田 杏樹さん
私は1年生後期「地域調査法演習」と2年生前後期「政策計画基礎演習」の授業内で屠体給餌について研究しました。屠体給餌とは、一般的な給餌とは違い、骨や皮を残したままの餌を動物園の肉食動物に与えています。歴史の浅い研究分野なので、未開拓の土地を歩くようなわくわくを感じながら取り組ませていただきました。
授業では、学生が主体となってテーマの決定から計画、調査、発表を行います。そのため、自分の研究に興味を持ち、積極性や早めの行動、柔軟な対応をとることの大切さを痛感しました。また、インタビューやアンケート調査では選択肢を狭めない聞き方やわかりやすい質問にすることなどの対象者への細やかな気遣いが必要であると気づきました。
自分で1から始めることは机に向かって勉強するだけでは気づかないような何かを経験として学び成長することができたと思います。
先ほども述べたように、屠体給餌は新しい研究です。だからこそ誰とも被らずオリジナリティあふれるテーマですが、如何せん先行研究が少ないです。情報を集めることが難しく、論文がまとまらないのではと不安でした。その不安が私の活力になり、屠体給餌研究の第一人者の方にインタビューできる機会をいただけました。
情報収集のために屠体給餌を行っている動物園に行きました。その時はちょうど小学生も屠体給餌を見学していました。肉食動物がバキバキと音を立てて食べている様子を楽しそうに見ており、私は少し意外に思いました。屠体給餌が薦められる背景には捕獲したシカやイノシシの利用を通しての獣害対策と飼育動物に野生に近い採食行動の促進の2点が挙げられます。それだけでなく、屠体給餌には動物園の環境学習の場として、かつ新しいオリエンテーションとしての利用の幅を広げる役割もあると気づき、とても興味深く感じました。
自分が興味や関心を強く持てるものに対して常に疑問をもって観察することや何を知りたいか軸がぶれないようにすることが大切だと思いました。
隣の芝生は青く見えるとはよく言ったもので、どうしても友達の進捗状況を聞くと焦りや不安に襲われます。それでも最良の結果を出せるように自分が決めたことに責任を持って取り組むことで完成したときの達成感は今でも忘れません。
これは先輩の受け売りですが、大学って人生の夏休みです!この大学ではいろんなことを学べるからこそ出会う人の数や層も視野も広がります。新しいことに挑戦するにはもってこいの環境だと思います。
<1回生科目「人間探求学」内での1回生によるインタビュー内容に基づき作成>
更新日:2022年12月27日