鈴木 雅大 さん
2010年度入学
鈴木 雅大さん
私は卒業論文に最も熱中して取り組みました。卒業論文は、自分で決めたテーマについて調査してその問題が持つ解決策を提案するまでを、約1年9ヶ月間かけて行う大学生活の集大成と言える取り組みです。テーマは自分で決めることができ、私の場合は、「有機野菜はなぜ売れないのか、いくらであれば消費者は買おうとするのか、どうすれば売れるのか」といった有機野菜の普及拡大をテーマに研究しました。まず「なぜ売れないのか」を文献調査により経済学的に明らかにしました。次に、「いくらで売れるのか」という点を明らかにするために、実際の野菜販売店で有機野菜を様々な値段で売り、消費者の購買行動を検証しました。最後に、消費者へのアンケート調査や店舗のスタッフの方へのヒアリング調査により、「どうすれば売れるのか」を考察し、有機野菜の普及拡大のための提案をしました。
卒業研究を進める中で最も興味深いと思ったのは、「どうすれば売れるのか」ということです。消費者は、有機野菜を「安全、新鮮、おいしい」とイメージしています。しかし、そのようなイメージがあるにもかかわらず、有機野菜の普及は一向に進みません。その背景には、有機野菜の値段が高いことに加え、消費者に正確な情報が行き届いていないという問題があります。近年、相次ぐ食品偽装が社会問題になっていますが、有機野菜についても同様に正しい情報が消費者に届かないことによって、消費者が不信感を持ち購入されていないという側面があるのです。では、どうすれば消費者に情報を適切に伝えられるのか、どうすれば消費者は本当に有機野菜を購入するようになるのか、という点が興味深い点であり、難しい点でもあります。
私は卒業研究を通じて、目の前の課題に真摯に取り組むこと、やるべきこととやりたいことをしっかりと分けて取り組むこと、ひとの言葉にしっかりと耳を傾けること、の重要性を学び、自分なりに実践してきました。
丁寧な仕事でなくてもいい。課題に対してひたむきに取り組む姿勢を持つ。そして、今最も優先するべき課題を見つけ、それを解決するために様々な人の助言に耳を傾けることで、課題の核心に迫ることができると思います。
「目的」をしっかりと見つけてほしいと思います。
なぜそうするのか、なぜそうする必要があるのかをしっかり考えて、目の前の課題に対して真摯に取り組むことが大切ではないかと考えています。
更新日:2014年03月15日