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海外旅行≒手術入院【平山奈央子】

2023年05月08日(月) 11:12更新

 少し前になりますが2023年3月中旬、人生で初めて手術と入院をしました。本当はこの時期,卒業生に会いにカンボジアに行こうと思って予定を空けていたのですが、海外に負けず劣らず刺激的な1週間でした。

 手術と聞いて心配する人がいるかもしれないので少しだけ病気の説明を。。。
前々からあることはわかっていた子宮のまわりの筋腫(良性の腫瘍)を、不妊治療の一環として取りました。手術当日、朝10時過ぎにテケテケ歩いて手術室に行き、手術室で麻酔から覚めて、病室に戻ってきたのは夕方4時半頃でした。お腹をガッツリ横切りし、大きさ60〜5㎜くらいの筋腫が26個も取れ、それらの写真を記念にもらいました。術後の回復は大変順調で1週間くらいで退院し、3月末くらいに元通りになりました。

入院中、時間の決まった予定はほとんどなく、普段パッチワークのようにスケジュールを詰め込んでいる私にとって、贅沢な時間を過ごすことができました。その1週間で感じたことを書き留めておこうと思います。

他の病院のことはわからないのですが、私が入院していた病院は私の性格にとても合っていました。看護師さんたちはもちろん必要なケアをしますが、必要以上に患者を病人扱いしなかったことが私自身で回復することにつながった様に思います。例えば、術後1日目の朝、起きてすぐに立ち上がることができなかったのですが、私が自分のタイミングで、自分の力で立ち上がるのを看護師さんは横で見守ってくれました。そんな入院生活から学んだことは、自分の弱さに甘えて、それを理由に人に頼ってしまうと、自分でそれをすることを簡単に諦めてしまうなと思いました。

 また、担当の看護師さんは毎日、また、1日のうちでも日中と夜勤で毎回代わり、同じ看護師さんに会ったのは多くて2回くらいだと思います。担当者を固定する/しない、それぞれに良さ悪さがあると思いますし、例えば卒論指導などでは指導教員を固定するしかないのですが、固定しない良さを感じられました。というのも、看護師さんたちはみなプロフェッショナルなので、情報共有さえしっかりできていれば医療行為や看護自体は何も問題ありません。その上で、患者としてはいろいろな視点で見てもらえるので安心しました。看護師個人に依存せずチームで対応するという、働き手の視点で見た場合に組織運営の点で良い仕組みだなと思いました。

 話は変わって、病棟には眺めの良い共有スペースがあり、時々他の患者さんと一緒にWBCを応援したり、たわいもないお話しをしました。私のエリアは主に婦人科の患者さんなので年配の女性が多かったのですが、旅先で知らない人と話すのと同様に、自然に会話が始まります。相手の名前も病気のことも話さずに一緒の時間を過ごした人がほとんどでした。会話の中で、住んでる町の話が出てくる時もありますが、個人情報は一切なく大河ドラマの話で終わることもありました。例えば、まちづくりワークショップなどでは自己紹介やバックグラウンドを最初に話すことが多いですが、 “先入観なく、話している中でその人のことを断片的に知っていくコミュニケーション”もいいな、と思いました。歩いている途中で可愛い花があれば一本ずつ摘み取ってふと手元を見ると良い感じの花束ができていた、という感覚でしょうか。

 もうすぐ母の日ですね。たくさんのフラワーアレンジメント作品を見たのでそんな妄想が出てきたのでしょう🌷

病棟からの景色

手術の痛かった話と非日常でほっこりしたお話でした。