杉本 さやか さん
2001年度入学
所属
株式会社バード・デザインハウス
職種
グラフィック・デザイナー
(2014年03月28日現在)
杉本 さやかさん
行政の総合計画の冊子編集をはじめ、農産品のブランド開発に至るまで、地域やまちに関わる総合的なグラフィックデザイン整備をしています。具体的業務としては、大阪市内まちなかバルビジュアルデザイン、社会福祉協議会のHP制作、某市子ども総合計画冊子制作、某市菜種油の商品販売のプロモートやパッケージデザイン開発など、多様なデザインに関わっています。
表現として単にカッコいい・カワイイものを作ったり描いたりしている、ということではなく、まず現状を整理して問題点を見つけ、どんな人に買ってもらいたいのか・どう行動してもらいたいのか、というコンセプト・企画の面から関わり、それに適したツールやデザイン整備を、クライアントとチームとして共に作り上げていくという仕事の方法です。なので、ポスターやパンフレットだけ作って終わりという仕事はまれで、上記のように企画も含めたデザインを行うので長期にわたって関わることがほとんどです。
結果的に、制作したものが、誰かにとって地域やまちへの愛着につながったり、当事者側の結束や誇りに繋がればという思いで日々制作しています。
語源をたどれば、「デザイン」は「問題を解決する」という意味を持っているそうです。その言葉の通り、デザインによって、物事が整理されたり、解決の糸口になったり、ばらばらなものをまとめるものになったりすることもあります。ただ、デザインをうまく活かすには、「問題」を正しく把握することが必要です。
この学科では、あらゆる物事の中の「なぜ?」を自分で見つけるための授業や演習がたくさんあります。デザインを学ぶ上で、美大や専門学校では技術やセンスを磨くことができますが、「なんのために?」「だれのために?」というところからデザインの意味を考える力がついたのはこの学科で学べたからだと感じます。
そもそも、デザインを学ぶことになったキッカケは、授業やゼミを通じて、小学校での環境教育ツール「五感マップ」の作成・実験をしたり、NPO法人「五環生活」の立ち上げに関わったりと、いろんな活動に関わる中で広報物等を作成する必要があったからです。そこからソフトの使い方やHPの作り方を一から勉強し、デザインを学んでいきました。
現場で活動しながらデザイン制作を進める上で、自分たちが「伝えたいこと」を、伝えたい相手に「伝わるように・見えるように」表現していくことの難しさ、大切さはそのとき実感し、今の仕事でも大きなポイントとなっています。
環境問題を学びたい思いはあるけど、将来が漠然としていて不安という人も多いと思います。この学科では知識を習得しながらリアルな現場に入って実感したり、いろんなプロジェクトに巻き込まれたり…あらゆる側面から環境問題を見る機会があります。それぞれ自分なりの視点をもって取り組めるようになれば、目指すものが見えてくるはずです。
更新日:2014年03月28日