寺尾 光紀 さん
2011年度入学
所属
甲賀市役所
職種
一般行政職
(2018年07月09日現在)
寺尾 光紀さん
私は現在,廃棄物対策の仕事をしています.一言で「廃棄物」といえどもその仕事内容は多岐に亘り,ごみ収集事業,不法投棄対策,生ごみ堆肥化事業,地域の清掃活動の調整,し尿くみ取り業務などがあります.また,市民の生活環境に密接であるがゆえに窓口や電話での問い合わせが多く,庁舎内や県,関係業者や各区と連携すべき事案もあり,度々臨機応変な対応を迫られます.
とりわけ私が実感している困難さは,まさにこの臨機応変さにあります.それは,ケースバイケースで判断をしつつも,公務員として公平性・公正性を維持しなければならないためです.それゆえ,法令や過去の事案の理解・認識が重要となってきます.
一方で,ごみ問題は全国で待ったのかからない問題となっています.例えば,高レベル放射性廃棄物や災害廃棄物の処分,処理施設の建設地の模索などがあり,各市町での課題も様々です.
その中で今の私にできることはやはり限られています.しかし,少し古い言葉に「Think globally, Act locally」があるように,市民レベルでの行動には意義があるはずです.それを信じて,日々の問い合わせへの丁寧な対応のほか,出前講座や啓発物などでのわかりやすい情報提供にも努めています.
本学科では,現場に赴くことにより物事の本質が一層見えてくることを学びました.
例えば,学生時代は環境先進国と言われるドイツへの短期留学を決行し,実際に生活を送りました.また,卒業研究では水文化の分野に取り組み,何度も対象地に足を運んで約90軒の家々で聴き取り調査を行いました.それらの結果,単に情報収集をするだけではわからなかった実態が次々と見えてくることに面白味を感じ,現場に出向くことの大切さを実感しました.
一方,仕事でも現場に赴くことが度々あります.現場の状況が電話や窓口で受けたイメージと違うこともよくあり,その度に現場での対応の大切さを感じています.もちろん,毎度現場に出るというわけではありませんが,学生時代にその大切さを実感していた分,フットワークの軽さを保つことができていると思います.
また,問題解決のためには当事者から話を聞き出す能力も必要となります.学生時代は地域でのボランティア活動や留学生のチューターなども経験し,様々な年代や背景の人々と接する機会を持つことができました.人とのコミュニケーションはまだまだ苦手ですが,これらの経験が役立っていることは間違いありません.
滋賀県立大学は琵琶湖をはじめ,様々なフィールドに恵まれた立地にあります.そのため,自然環境に関連したどのような分野にも適した対象地が見つかる絶好の学び場だと思います.
更新日:2018年07月09日