松浦克彦 さん
2009年度入学
所属
青年海外協力隊(平成25年度2次隊・ベネズエラ派遣)
職種
環境教育
(2014年03月27日現在)
松浦克彦さん
私の職場は、希少野鳥をはじめとする生物多様性の保護を目的として設立された環境NGOです。生態系保護のための活動(密猟の防止・植林活動)だけでなく、希少野鳥が生息する地域に居住する住民の環境意識向上を図るために20年以上活動を続けていている団体で働いています。
私は環境教育事業を担当し、希少野鳥が生息する地域である任地の小学校3校に対して試験的に授業を実施しています。ベネズエラでは、環境教育の実践経験が十分な人材が少なく、効果的な授業が実施されているとは言い難い状況です。今はまだ私自身が授業を実施し、現地の先生や生徒の授業に対する反応を見ているような状況です。しかし、いずれは現地の先生方法により授業が実施される段階まで引き上げなければなりません。それが、私が出来る彼らの環境意識の向上に向けた最善の方法だと考えています。
しかし、そのような理想の状態に至るにはまだまだ大きな課題があります。どうすれば先生自身が主体的に考えて授業を運営していけるようになるのかという観点で、授業プログラムの開発に日々取り組んでいます。これが簡単に見えて非常に難しいことなのです。
私は、現場に飛び込む大切さというものを学びました。他人から聞いた話も大事ですが、やはり自分で現場に飛び込み、目や耳だけでなく五感を使って感じるということが最も大事だと思います。そういった意味で、環境フィールドワークなどの実習系の授業での経験は、現在の活動でも特に生かされています。卒業研究において、ツバルという国の廃棄物問題について住民や関係機関に対するアンケートやヒアリング調査を実施しました。実際にツバルに行って住民や関係機関の話を伺うと、いくら書籍を読み漁っていても見えてこなかった大事な課題が見えてきました。
現在の仕事でも、いざベネズエラの任地に赴いて学校で授業を行うまで、分かっていたようで実は気づいていなかったことが多くあったと現場で思い知らされました。現在でもまだまだ気づきや発見ばかりですが、確実に問題解決に向けて進んでいるものだと確信しています。 また、今の仕事では想定外の出来事や仕事を投げ出したくなるようなことが多くあります。そんなときに、卒業研究での辛かった経験から得られた「冷静に物事を見つめる目」や「何事にもあきらめない心」が、支えとなっていると感じます。
何か輝けるものを持っていることは社会に飛び込み、生きていくうえで大事な武器となります。武器のない人はそれを探し、ある人は見つめなおして強化できる。そんなふうに4年間を過ごすことができるのが環境政策・計画学科です。
更新日:2014年03月27日