山口 陽平 さん
2013年度入学
山口 陽平さん
私たち環境政策・計画学科の学生にとって、約1年半かけて取り組む卒業研究は最も大きな目標であり、日々の授業はその調査や論文作成のための積み立てといっても過言ではありません。その数ある授業の中でも私が自身の成長を感じたのが「政策計画基礎演習Ⅰ・Ⅱ」という2回生の前期と後期を使って行われる授業です。
この授業では「環境」というキーワードをもとに1つのテーマを設定し、その後、そのテーマに関する文献調査とヒアリング調査を行います。調査から得られた結果をレポートとパワーポイントにまとめ、学科内で発表会を行うといった講義です。
この授業において、文献をまとめる要約力やレポート作成のための文章力はもちろんのこと、自分の考えを相手に理解してもらう説明力やヒアリング調査において相手の話を引き出す力など自身の研究を進めるにあたり重要となる多くのスキルを身に付けられたと思います。
この授業の難しい点はすべてが自分に委ねられていることだと私は感じました。テーマの設定、ヒアリングの対象者の選定、また、そのアポイントメントもすべて自分が決めます。もちろん、先生方のアドバイスもありますが調査の中身を充実させるのは自分の行動次第です。
また、この授業の興味深い点は、複数の学生が同じテーマを選んだとしても手に取った文献や選定したヒアリングの対象者によって最終発表の内容に「違い」が生まれることです。
それぞれの学生がどのような視点を持つか、どこに問題意識を持つかが「違い」を生むのではないかと私は思いました。これは「個性」ともいうべきだと思います。
自分の「個性」に気づくことで自身の研究に面白さも生まれますし、他の学生の「個性」に気づくことで他の学生の調査に興味が生まれ、議論も盛んになります。力を注いだだけ成長につながる授業だと私は思います。
作業を通して、「主張を組み立てる力」が身についたと思います。自分自身の主張に私なりの起承転結を持たせ、その主張の裏付けとなるデータや資料を選び、吟味する力です。
自分の主張を展開する過程で一本の丈夫な骨格がないと主張がぶれてしまいますし、骨格への肉付けが不十分だと薄っぺらな主張に終わってしまいます。
2回生という学年で主張を組み立てることの重要性に気づけたことは大きな進歩だと感じています。
環境問題をはじめとする多くの社会問題に明確な解決策は存在しません。
大切なのは答えを見つける力ではなく、自分の導く答えが正解であると証明する力です。
その力を培うことができるのが、この学科です。
更新日:2015年05月26日