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地域住民に計画やビジョンを届け、動かす

木村道徳 さん


1995年度入学

卒業後

所属

滋賀県琵琶湖環境科学研究センター総合解析部門

職種

研究者

(2017年06月18日現在)

木村道徳さん
木村道徳さん
学生時代の講義や分析手法の“幅広さ”が武器になっている。数理モデルや人工知能の研究者から哲学を専門とする研究者まで,多岐にわたる専門分野の研究者と一緒に仕事を進める基礎となっている。

現在の仕事では、どのような問題・課題・困難に挑んでいますか?

持続可能な低炭素社会の実現に向けた取り組みの一環として作成されている,温暖化対策計画や将来社会ビジョンを地域コミュニティレベルで社会実装するための研究を行っています。

地球温暖化対策の世界的枠組みとして採択されたパリ協定や,我が国の地球温暖化対策計画など,世界レベルや国レベル,県レベル,市レベルにおいて様々な計画やビジョンが策定されています。これら計画やビジョンは実行しないとただの絵に描いた餅になってしまいます。しかし,これら計画やビジョンがどれほど地域住民に届いているのでしょうか?また,これら計画やビジョンの実現に向けて,意識して何か取り組みを進めたり行動変容が起きたりしているでしょうか?地域コミュニティは地球温暖化以外に少子高齢化や地域経済,地域コミュニティの衰退など他に緊急性の高い課題を抱えています。このような地域コミュニティ独自の課題と,これまで作られてきた計画やビジョンを統合し,持続可能な社会へと変えるための取り組み(社会実装)につなげるための道筋を,国や大学などの研究者と地域住民とが一体となって描くためのお手伝いをしています。

学科で学んだことは、いまの仕事の中でどう生かされていますか?

学生時代を振り返ると,講義の内容は幅広く,水から大気,土壌,廃棄物,温暖化,環境リスクなど様々な事柄を学びました。また,私は卒業論文,修士論文,博士論文を執筆しましたが,それぞれ対象とする分野も使用する分析手法も異なったものでした。このような状況ですので,いまだに「専門は何ですか?」と質問されると大変困るのですが,実際の仕事の中で環境問題に対峙したときに,“幅広さ”が武器になっていると感じます。

現在私の主テーマである持続可能社会に関する研究では,気象や生態系,リスク,社会経済など様々な分野を横断し,専門家が協働することが求められます。また,地域コミュニティで調査研究を進めている中で,地域住民の要望で自分にはよくわからない質問や要望を受けることがあります。その際に幅広い知識の中から,関連するだろう既往研究を探し出し,または直接その分野の研究者と相談に出向き,対応していくことが求められます。実際私はこれまで,数理モデルや人工知能の研究者から哲学を専門とする研究者まで,多岐にわたる専門分野の研究者と一緒に仕事を進めることができています。これは,学生時代に興味が無くてもとりあえずかじってみるという姿勢を身に付けたおかげだと思っています。

地域の伝統食に着目した地域資源活用検討対話ワークショップ
地域の伝統食に着目した地域資源活用検討対話ワークショップ

入学を検討している人へのメッセージ

私は滋賀県立大学第1期生ですので,滋賀県立大学に関する情報も学科についての情報もほぼ無い状態で何となく面白そうだと思い入学しました。面白そうと思ったら是非門を叩いてみて下さい。いろんなことに飛び込んでいけば,楽しむ材料はたくさんあると思います。