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滋賀県職員として

学科紹介-OBの声- OBの方へkomeno@2010/05/19

第6期卒業生 藤田卓也

勤務先:滋賀県湖北環境・総合事務所環境課
私は現在、湖北地域で大気環境の保全に関わる仕事をしています。工場指導や環境測定、地域の苦情相談など仕事は多岐にわたりますが、ダイオキシンやアスベスト対策といった住民の関心の高いものもあり、安全・安心を守るために何をすべきか自問自答をしながらの毎日です。
皆さんには学生生活の中で様々なことにチャレンジし、自分の興味を広げていってほしいと思います。その中で自分の一番好きなことや将来の夢を再発見してください。また、本学科ではフィールドワークやグループワークを取り入れた授業が多いですが、現場から学び、多様な主体と共に問題を解決していくという経験は将来必ず役に立つと思います。ぜひ頑張ってください。

ふりかえって気づく“環境社会計画の魅力”

学科紹介-OBの声- OBの方へkomeno@2010/04/28

第9期卒業生 新玉 拓也

 滋賀県立大学(以下.県立大)を卒業して早いもので3年が過ぎようとしています。県立大と私との出会いは、“環境社会計画”という聞きなれない名前に惹かれ、オープンキャンパスに行ったのが始まりです。もともと自然や環境に興味があったので、半分自然公園や農場といったようなキャンパスは大変魅力的でした。そして、環境社会計画専攻(以下.社会計画)のコーナーでは、フィールドでの活動写真や地域のシステム図など、興味深いものがたくさん並んでいました。高校3年生の当時、ほとんど受験のための勉強しかしていなかったので、大学ではこんなおもしろいことを勉強するんだと思ったのをよく覚えています。社会計画では、環境に関する充実したカリキュラムが組まれていましたが、そのつながりや重要性に気づくのは、卒業研究が終盤にさしかかるころ、あるいは卒業して社会に出てからかもしれません。今ふりかえって思う社会計画の魅力について、私の体験をもとにお伝えしたいと思います。

 環境科学部の講義の特徴的なものとして「環境フィールドワーク」があります。発電所や博物館、伝統的な水利用が残っている地域など、実際のフィールドに出てディスカッションなどを行います。現場を自分の目で見て、体験するというのは、問題解決において欠かせないことです。はじめは遠足のような気分で受講していましたが、レポートや発表を繰り返すうちに、自ずと考える力が養われていったように思います。そして、このような作業をひとりで行わなければならないのが卒業研究です。
 私の場合、テーマとして琵琶湖の環境保全に関わる行政や市民の連携を取り上げました。毎週のように現場に通い、次第に自分もスタッフのひとりとして関わるようになりました。そうすることにより、現場の課題もわかり研究の方向性も定まってきました。そこでは、河川行政から農業、まちづくりや魚類の生態学的な研究など多くの分野が入り混じっていました。そこではじめて、社会計画のカリキュラムの意味に気づきました。法律(環境法)、統計(応用統計学)、生物学など非常に幅広い分野の講義があったのも、問題解決のために物事を多角的な視点で見る訓練、あるいは何かの分野に本格的に取り組む際の基礎知識だったのだと思います。社会計画の先生方の熱心な指導により、“現場で自ら行動し考える”という意識をしっかり持つようになりました。

 卒業研究や市民活動など社会に出るようになると、いたる所で先輩方の活躍を耳にします。私も琵琶湖博物館うおの会という琵琶湖の魚類の調査・保全を行う団体に入っていましたが、多くの先輩方が中心メンバーとして活躍していました。卒業研究でいろいろな団体や機関にヒアリング調査に行った際も、県立大というだけで快く受け入れてもらえました。いずれも、以前に調査や研究で県立大生と関わったことがある、卒業生が働いているなど、多くの先輩方のご活躍の積み重ねがあってのことだと思います。

田んぼ水辺研究会 高島市マキノ町

田んぼ水辺研究会 高島市マキノ町

 右の写真は県立大環境科学研究科の院生であり、多賀町立博物館学芸員である金尾さんに誘っていただいた研究会の一幕です。「卒論に関わるやろうし、おもしろいからおいで」と誘っていただき、わけも分からず参加したのですが、当時京都精華大学教授の嘉田さん(現.滋賀県知事)や琵琶湖博物館上席総括学芸員の前畑さんなど、琵琶湖の保全を担っている錚々たるメンバーでした。
 最近では、地域再生やまちづくり、生態系の保全など、県立大の取り組みが新聞やテレビなどで取り上げられることも多くなっていると思います。仕事の合間に日経新聞を読んでいると、「近畿の主要大学を対象にした『大学ブランド偏差値ランキング』において、『地域産業に貢献』という項目で滋賀県立大学が1位」という記事がありました(平成21年12月10日付日経新聞)。県立大が力を入れて取り組んでいることが社会でも評価されており、とてもうれしい気持ちになりました。私も県立大の卒業生として恥ずかしくないよう、地域に貢献できるようなことをしていかないといけないなと思いました。

 卒業後も社会計画で学んだことを意識し続けることで、自身の活動の幅も広がりました。大学院に在学していた2008年には「第三期琵琶湖河川レンジャー(国土交通省琵琶湖河川事務所の委嘱)」に任命され、河川行政と住民をつなぐコーディネーターとして活動を行いました。また、このように大学で身につけたことを自分が生まれた町も還元したいと思い、地元でも魚の保全や環境教育に関連した活動を行うようになりました。その結果、三重県亀山市でも、環境関連の委員や地球温暖化防止計画の策定に関わることになりました。その時期に設立した市民団体「魚と子どものネットワーク」は就職してからも活動を続け、ライフワークとなっています。

お魚ふやし隊自然観察会 高島市新旭町

お魚ふやし隊自然観察会 高島市新旭町

 ふりかえってみれば、朧げながらもいろんなことを学んだ講義、叱られながらも必死に取り組んだ卒業研究が今の自分の基礎になっているなと思います。現在は一般企業に入社したばかりで、仕事については何も言えませんが、目的を達成するために仮説を設定して取り組むということは、研究でも仕事でも共通のことだと思います。仕事で嫌なことがあったときは、川と魚でつながった琵琶湖の仲間がいるということを支えに乗り越えていきたいと思います。

「卒業生の声」企業の環境経営の現場から見る環境政策・計画学科

学科紹介-OBの声- OBの方へkomeno@2010/04/28

第9期卒業生 谷口 浩

1.はじめに

私は現在機械メーカーの品質・環境マネジメントの部門で、
国内外の環境関連の法規制対応や品質・環境監査、環境活動の企画などに携わっています。

企業の環境活動に携わる立場から環境社会計画専攻を振り返り、
当専攻の有用性と今後の課題について述べたいと思います。

2.当専攻の有用性

2-1.専門知識

まず当専攻の有用性として環境関連の各分野の第一人者である教員から
早い段階で幅広く専門知識を学べる点があげられます。

会社では環境汚染対策だけでなく、製品の環境対応や環境教育、CSR(企業の社会的責任)といった
幅広い分野を扱いますので、専門知識は入社後からすぐに役に立ちました(特に廃棄物・化学物質管理など)。

また知識だけでなく、社内で環境対策を展開する際にはその内容を調べ、
対応を自分で組み立て、関係者に発表していくプロセス面でも役に立っています。

2-2.現場主義

次にフィールドワークを主体とした現場主義の徹底です。
どんな現場があるかを知るだけにとどまらず、問題解決とその面白さを体感出来るのは当専攻の強みです。

また現場で事を進める際には、合意形成技法などの問題解決のプロセスが役に立ちました。
会社組織でも何かを始める時には無理という言葉が聞かれることがありますが、
そうした場面で「本当に前に進めないのか?」をじっくり検証ながら少しずつ実現に近づける。
こうしたプロセスの考え方がいまでも教訓になっています。

「仕組みで自動化」などというと格好が良いのですがあまり上手くいかず、
泥臭く現場に通って初めてさまざまな情報や交流を通じてようやく形になる。そんな場面ばかりです。
「キャンパスは琵琶湖」という大学の理念の通り、地域の現場でやってきたことが力になっています。

2-3.ビジョンと多様性

あとひとつ強調したいのがビジョンと多様性を大事にしたカリキュラムです。
当専攻の環境というテーマは他学部以上に、世の中がどうあるべきかを考える必要があります。

企業の環境活動でも内容や進め方、組織の各階層の思いは多様で、
何を目指すのか、またその意義を明確に示すことは最も重要になっています。
「なぜそうするのか?」という問いに答えるビジョンがなければ人も組織も動きません。
またその過程には多様性を受け入れる幅広い視野・考え方が求められます。

答えのない政策の講義や演習、卒業論文を考えるときに、
どうあるべきかという視座を養う機会がありましたし、
他学部を含む多様性のあるカリキュラムが視野を広げてくれました。

当専攻が表立ってPRする内容そのものになったかもしれませんが、
裏を返せば意図することが社会の現場でも通用することの証だと思っています。

3.当専攻に期待すること

次に当専攻の課題と期待について述べたいと思います。

3-1.卒業論文までのステップの再編

つらかった卒業論文と言えば、卒業生の大半は共感されると思いますが、
3回の前半まではとは打って変わっていきなり卒業論文で高いレベルを要求されるため、
助走環境に対してハードルがやや高いように感じています。

そうした意味で3回生時に担当教官の専門・現場の範囲で論文を作成し進め方を体験するなど、
要求するレベルを前もって体感するステップが必要だと感じます。
論文作成のレールを一度走ることで、本番の卒論にスムーズに取りかかれるものと思われます。

3-2.科学技術的なアプローチの強化

もう一点は科学技術的なアプローチの強化です。
文理総合という形を取られていますが、学年が上がるにつれ、文系的な要素が強くなり、
技術者の輩出が割合少ないのではないかと思っています。
開学10年を境に技術系の教員の退官などが相次ぎました。

これは非常に残念なことで、環境ビジネスの展開にしても社内の環境経営の推進にしても、
技術的な知識・技能なしには前に進みづらい状況になっています。

そこで同学の工学部や地域の関連団体との連携充実といった方向も含めて、
政策実現のツールとしての科学技術的アプローチの充実を期待します。

3-3.活躍のフィールドの発見・支援

最後に学生が早くから自分の現場を見つけられるような施策を期待します。
現場を回ったり、各分野の第一人者の体験を聞く政策形成・施設演習がありますが、
その一端を感じるレベルにとどまっていると感じます。

そこで学生が一定期間現場の問題解決を進めるような活動の場を提供し、
学生が当事者・主役になり、知識・経験・意欲を活かすことが出来れば、
能力開発だけでなく進路選択に寄与するものと思われます。

4.おわりに

「ここで変われないやつは、いつまでも変わらない」、「学ぶことは変わること」
最も印象に残っている先生の言葉です。
当専攻では変わる仲間も、変わる自分も楽しめる場所ですし、
環境への奔流が強くなればなるほど、当専攻の意義は今後より一層広がると思われます。

授業の中から見えてきた「環境」に対しての自分自身との関わり

学科紹介-OBの声- OBの方へkomeno@2010/04/28

第4期卒業生 河村 賢造
ドクター・オブ・ジ・アース株式会社 代表取締役

 先日、環境計画・政策学科の授業において御話をさせていただく機会を頂いた。本学科には、環境に関心を持った多くの学生がいるが、社会に出てからどのようにして環境と関わりあうか悩んでいる学生が多いように見受けられた。実際、私も環境というキーワードを基に就職活動を行ったが、それに直接的に関わる企業も多くない。ましてや、環境の部署を特定し、就職窓口を設けている企業はほとんどない。私自身もその悩んでいる中の一人であったが、在学中の授業の中でその関わり合いの重要なヒントが得られた。

 ここからは、私自身が在学中にどのようにして、「環境」との関わり合いを見つけていったのかを紹介したい。中学時代から「環境」への関心があり、「地球の医者になる」と周辺の人間に豪語していた。しかし、私自身はハイブリッド自動車を開発できるわけでもなければ、ごみのリサイクル推進の活動家でもない。私自身が地球環境の改善というミッションにどの部分で関わりあうかを悩んでいた。

 そんなさ中、3回生の時に、4回生の最終的なゼミ配属を見据え、生徒が少人数制のゼミに割り振られた(FW3)。その時に、ゼミの中で担当の奥野教授(現:滋賀県立大学名誉教授)から与えられた課題が、「日本の中から農業が無くなっても良いか否か」というものであった。それに関して深く考えていくうちに、「農業の多面性」という点から、農業が食料を生産するという側面だけではなく、地球環境の維持、食糧問題・雇用の面などから重要な役割を果たしていることが見えてきた。

 その後も継続的に、フィールドワークの授業の中で、「愛東マーガレットステーション(当時全国でも有数の直売所)」調査や農業法人の調査等を進めるうちに、農業の分野への関心が増大し、「農業に関わること」≒「環境に関わること」という図式が見えてきた。私は何も技術等は持たなかったが、この分野であれば自分自身が活躍できるフィールドがあると確信できた。その調査内容を踏まえ、「直売所の運営」による学生起業を計画したが、当時は実力不足から断念した。しかし、このフィールドワークで培った、「現場から情報を集めてくる」という体験は大変貴重なものとなり、今でもそれは活かされている。

 その後、一般企業へ就職したが、5年後、やはり思いが忘れられず起業を果たすこととなった。会社名は、「ドクター・オブ・ジ・アース株式会社」(http://dr-earth.co.jp/)。もちろん、この会社名は、中学時代に志した、「地球の医者」になりたいという思いからきている。会社の目的は、「農業を通じて地球環境を守る」こと。生産者から市場を介することなく、「産地直送」で直接仕入れた青果物の小売・卸売を行っている。いいものを作っている生産者がたくさんいるのに価値が見出されていない現状を危惧し、そうした生産者が日の目を見られるきっかけ作りを行っている。店名は「野菜ソムリエの店のら」といい、ネット販売(http://nora-web.ocnk.net/)等も行っている。平成21年度は、新規事業部を立ち上げ、こだわりのレストラン向けの卸売り事業をスタートさせた。この事業は「平成21年度豊能地域 おおさか地域創造ファンド採択事業者 」としての認定もいただいている。「農林水産省 の「FOOD ACTION NIPPON」 推進サポーター(http://syokuryo.jp/index.html ) としての参加や、経済産業省 平成21年度 にっぽんe物産市プロジェクト (http://www.ebussan.com/blog_detail/id=363)にも参加している。その他、ZAQが企画運営する「ここ惚れZAQ社長ブログ」(http://kokohore.zaq.ne.jp/dr-earth/)などにも参加。近年は講演依頼なども多くなってきている。

 最後に、「環境」という言葉は、便利な言葉ではあるが、多面性を持つ大きな言葉であるともいえる。環境計画・政策学科では、そうした様々な「環境」に関して、幅広く学習できるというメリットがある。自分自身がどのような形で「環境」というものに携わっていくか、大学4年間で見極めることが可能であるからだ。一方では、その意思決定がなされなければ、どっちつかずの立場にさらされることとなることも合わせて記述しておかなければならない。社会計画学科には幅広い分野の専門家の先生方がいらっしゃる為、自由裁量で学生生活の集大成と言える「卒業論文」へチャレンジできる点は魅力的である。

 私は滋賀県立大学に所属した学生の中で、滋賀県立大学生活が、人生に大きな影響を受けたうちの一人であることは間違いない。現在の自分は、この大学に所属しなければ無いものと思っている。

出会いが生み出す財産

学科紹介-OBの声- OBの方へkomeno@2010/04/28

第2期卒業生
大西 弥恵子(旧姓 馬場)

私は大学を卒業後、滋賀県を離れ映像制作の会社に入社しました。そしてディレクターとして約8年間ビデオ制作に携わっておりました。主な仕事内容は、クライアントから目的や要望を聞きだし、それを活かした演出方法を考え、スタッフを率いて撮影に望むことです。
仕事の内容自体は、環境問題を取り扱う大学の授業と直接的な関係はありませんでした。しかし四年間の講義や卒論制作によって、物事を様々な視点から捉えることや、問題に対して能動的かつ積極的に取り組んでいく力を身につけることが出来ました。これらは、色々な意見をまとめて撮影の方針を決定したり、問題が発生したときに周囲の力を借りながら解決方法を見出すことなど、ディレクターつまり撮影チームのリーダーとして必要とされる力を養うのに非常に役立つものでした。また、大学時代に「ものをつくる」ことに興味を抱き、その結果映像制作という仕事に就いたのですが、その経緯には友人との付き合いで得た数々の刺激が元になっています。10代後半から20代前半という、人生の中で最も多くのことを考えたり感じたりする時期に、学科内の交流や、学内にとどまらず地域も巻き込んだサークル活動、またアルバイトなどで多くの人々に出会ったことが、これまでの私を形作る大切な財産になっています。
さらに、そのような出会いから生まれた友人の紹介で、数年前に彦根市に住む男性と知り合い、結婚することになりました。そして映像制作の会社を退職し、再び彦根市で暮らすようになりました。
その後、滋賀県立大学で勤務することが決まり、現在は環境科学部の実習助手として働いています。在学中にお世話になった先生方にも再びお会いし、楽しかったキャンパスライフを思い出しながら、毎日仕事に励み充実した日々を送っています。

私は大学に入学するまで、大学教育と言えば広い教室で大勢の学生に対して講義を行うものだというイメージを持っており、「先生 対 学生」は「一人 対 大勢」という関係に過ぎないと思っていました。しかし、実際には少人数で行う講義やゼミ、そして複数の先生で担当する授業が存在し、先生方は一人一人に対して熱心に指導をして下さったのです。さらに現在、私は大学で勤務することにより、再び滋賀県立大学の教育に触れることになりました。学生の時とは違う立場で、いわば「教育の裏側」を覗くことになったのです。そこでは、学生時代に私自身が感じていた以上に、先生方が学生一人一人を注意深く見守りながら、熱心な指導が行われていました。このような教育体制であるからこそ、私のように授業内容とは異なる分野で働くことになった者にも、仕事をする上で役立つことが多く学べるのではないかと思います。